日産自動車の内田社長が12月1日付で就任しました。
日産横浜本社で12月2日に就任会見を実施しました。
日産自動車の再生なるのでしょうか?
内田社長の就任会見動画と就任スピーチ原稿全文を紹介していきます。
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日産自動車内田社長の経歴は?
●1966年生まれ
●1991年 同志社大学卒業
●1991年 日商岩井(現・双日)
●2003年 日産自動車に転籍
●2016年 日産常務執行役員
●2018年 日産専務執行役員
父親は航空会社の社員です。
父親の影響で海外暮らしが長かったそうです。そして語学が堪能。
経歴を見る通り日産自動車プロパー社員ではないのですね。
総合商社から自動車メーカへ転職してきてトップまで登りつめるとはすごいですね。
#日産自動車 の社長兼最高経営責任者(CEO)の #内田誠 氏(53)が就任後初となる記者会見を開きました。#カルロス・ゴーン 前会長の逮捕から約1年。西川広人前社長の辞任や販売不振による業績悪化など混乱が続く中、重い課題を背負っての出発となりました。
写真特集→https://t.co/TGnLvLKOdv pic.twitter.com/aGrTvvAQDp
— 毎日新聞写真部 (@mainichiphoto) 2019年12月2日
日産自動車内田社長就任会見動画
12月2日に日産自動車横浜本社で社長就任記者会見が実施されました。
この記者会見を全編ノーカットでお伝えします。
日産自動車内田社長就任会見スピーチ原稿全文
ここで日産自動車内田社長就任会見スピーチ原稿原文を掲載します。
原稿引用元は日産自動車ホームページからとなります。
このたび12月1日付で社長に就任いたしました内田です。まずこの1年、当社は大きな混乱をきたし、世間の皆さまをお騒がせ しましたこと、厳粛に受け止めております。 私は、日産が創立 70 周年を迎えた 2003 年に、入社いたしましたが、当時の社会人 になって約 10 年の私から見ていても、日産は大きな存在でした。日本経済をけん引する自動車メーカーであり、ルノーとのアライ アンスによって、ダイナミックに拡大展開するグローバル事業は、新しい日本企業の今後のあり方を示していると感じていました。そし て、これまでの日本の企業としての強みとアライアンスによるグローバルな価値観を併せもつ日産に、大きく飛躍する可能性に魅了 され、日産に入社しました。ルノー・日産共同購買組織での仕事が、日産でのキャリアのスタートとなりましたが、今申し上げたこと をまさに肌で感じました。また、日産社員一人ひとりの能力や多様性への順応力の高さ、大きな目標を信じて前に進む力強さを 感じました。
私が入社して以降、現在までの間において日産自動車は着実に成長を遂げましたが、その中でアライアンスは大きな貢献をしてき ました。部品や資材の共同購買、車台やパワートレイン、部品の共用化、人材の活用などの、様々な成果を生み出しました。
しかし、国内工場における完成検査問題や経営者不正が明らかになり、事業の運営上の問題や脆弱なガバナンスなど、大きな 問題が表面化しました。これにより、企業としての社会的な信頼を失うだけでなく、計画を推し進めた結果、急激な業績低下を 招いてしまいました。何故、日産がこれまでの成長の過程で、こうした問題を起こしたのか。
日産は、これまでもクルマの技術の本質を追求し続ける一方で、一つの価値観にとらわれることなく多様な意見をみとめ、先進的 な商品の開発に、他社に先駆けて挑戦し、数多くの「ブレークスルー」を起こしてきました。その精神を受け継ぎながら、グローバル 競争に打ち勝つべく、アライアンスという経営面での新たなブレークスルーをおこし、1990 年代の経営危機を乗り越え、再び成長 軌道に戻す事に成功しました。決して経営戦略、事業戦略などに誤りがあったとは思いません。しかし、その運営過程において、 企業文化に関わる問題が生じてきたのではないかと私は思っています。目標設定において「できないことをできる」と言わせてしまう 文化をいつの間にか作り上げてしまった事であると思います。これにより社員の自発的な横の連携や問題解決に対する意欲を削 いでしまい、成長目標達成のために短期的成果を求めた行動を起こすこととなり、技術開発や商品開発のプロジェクトや、将来に 向けた設備や人材などへの必要な投資に影響を及ぼすこととなりました。販売面においては、インセンティブに頼った短期的な販 売増が、ブランド力と収益力の低下を招きましたが、これは、その典型的な事例です。
本日より新しい体制がスタートしましたが、私と COO のグプタ、副 COO の関を柱とした経営体制で議論を尽くして事業運営にあ たっていきます。私は大切にしている言葉が 3 つあります。それは、“尊重、透明性、信頼”です。ルノーの仲間やサプライヤーの皆 さんと進めてきた購買での経験、中国の合弁会社の総裁を務める中でも、改めてこの言葉の重要性を確信しました。部下を信 頼し、権限移譲を進め、役員・従業員全員が会社の方向性を自分のこととして捉えて取り組む「ONE TEAM」の風土を醸成し、 社員にとって透明性の高い業務運営を行います。お客さま、販売会社、やサプライヤーの皆さまをはじめ、広く社内外の声にも耳 を傾けて、意見が言い合える、異論や反論が許される会社風土を作っていきたいと思います。このような考え方が企業の体質とし て浸透するように、日産の経営陣及び社員の行動指針である「Nissan Way」を見直し、確実な浸透に向けてリードします。 先 ほども申し上げましたが、日産の社員の持つ力、能力は高いと信じています。グローバル化を推進する事業運営、CASE に代表さ れるモビリティの在り方に関する社会的な変化への積極的な対応、どれも間違いない方向性です。しかし、それに向けた進め方、 目標設定には現状の実力の認識とそこからどこまで頑張って伸ばせるかの論議を充分に尽くし、納得した「チャレンジできる目標」 を設定することが大事だと思います。
これまで、日産が基本的に変わらなければならない部分について説明をしてきましたが、信頼の回復と業績の立て直し、という足 元の現実的な課題にも対処しなければなりません。私の役割は、前経営陣がこの 1 年間かけて築き上げた信頼の回復と業績の 立て直しの基礎を、実行に移して形にしていくことです。当社は、今年 6 月には指名委員会等設置会社に移行しました。 事業運営は私たち執行側がこれまで通り責任をもって行ってまいります。そしてその事業運営を健全に保つために取締役会にはし っかりモニタリングをしていただきたいと思います。私は、この原則をしっかり守り、CEO として会社経営のかじ取りを行います。 また、 業績の立て直しに関しては、既に皆さまにお知らせしている通り、「米国事業の立て直し」、「事業及び投資効率の適正化」と「新 商品、新技術やNIMを軸にした着実な成長」を柱とする事業構造改革に取り組んでいます。「米国事業の立て直し」と「事業及 び投資効率の適正化」については、先の決算会見でご説明した通り、着実に進めております。 この計画は効率化・リストラとよく理解されがちですが、この事業改革のもっとも重要な柱は、3つ目の「新商品、新技術やNIMを 軸にした着実な成長」で描く将来の成長戦略です。つまり計画通りにしっかりと新車開発を行い、お客さまが適正なタイミングで適 正な価格でお買い求め頂ける魅力的なクルマを提供し続けられる体制を作るということです。つまりは、「お客さま第一」をすべての 日産の企業活動の根幹に戻すことです。この言葉の持つ意味の大きさは、昔も今も変わりありません。そしてその先、大きな事業 の変革への準備を強化するため、新たな計画策定に向けた準備に着手しました。これは、私が直接指揮をとり、進めてまいります。 これら事業の立て直し、そしてその先の着実な成長には、アライアンスの活用は欠かせません。約 20 年前、イコールパートナーとし て、お互いを尊重し、Win-Win の原則のもと、更に双方のメリットを追求しながら協力関係を深めた結果、日産はここまで成長 できました。今後もこの原則に従い、会社の独立性を保持しながら活動を進めていきたいと考えています。
ちょうどこのステージにフェアレディ 240Z があります。このモデルも当時、スポーツカー市場にブレークスルーを起こしました。そして5 0年たった今、このアリヤコンセプトで EV や SUV の枠組みにとらわれない、新しいクルマや将来のモビリティの実現に向けたブレー クスルーを提案いたします。お客さまに常に新たな価値をご提案する、そのためにチャレンジし、ブレークスルーを果たす、私たち日産 にはクルマづくりの DNA、グローバル競争に打ち勝つためのアライアンスの活用という新たな事業プラットフォームなど、先達が築いた 強い基礎があります。この財産を大切に受け継ぎながら、これからも変化する事業環境を見越して、挑戦を続けます。「時代に先 駆けて挑戦し続ける日産」ならではの価値をお客さまに提供するとともに、将来のモビリティのあり方を提案し、その実現に向けて 取り組み続け、従業員が日産で働くことに誇りをもてる会社を目指します。そうなれば、きっとお客さまも日産を信頼し、好きになっ て頂けると私は信じています。従業員が持つ高い能力を一つにまとめ、会社として大きな推進力を生み出す、当たりまえの事です が、これが社長として私の大きな使命だと考えます。
ここにいるメディアの方々をはじめ関係者の皆さまの暖かいご支援を今後ともよろしくお願いします。
以上
まとめ
12月1日付で日産自動車の社長に就任した内田誠社長の就任会見動画を紹介しました。
また、社長就任のスピーチ原稿も紹介しています。
これで、日産は生まれ変われるのでしょうか?
カリスマ経営者カルロスゴーンいなくなった後、今後どう日産がわかっていくのか楽しみです。
早く国内マーケットに新車出してほしいですね。